FAMシネマテーク
vol.4
11月23日(月・祝)
福岡市美術館・ミュージアムホール
1作品 1,500円(当日券のみ/税込)
※「書店の詩」のみ1,000円
侯孝賢(ホウ・シャウシェン)、楊徳昌(エドワード・ヤン)、蔡明亮(ツァイ・ミンリャン)といった世界的な巨匠を輩出し、その後も多くの若い映画人やスターが誕生している台湾。中華圏の中にあって、独自の文化とアイデンティティーをもつ台湾映画は、観光地としての人気も相まって多くのファンがいます。今回は、東京などで話題になりながら九州、福岡未公開の作品を集めて紹介。小特集として張艾嘉(シルヴィア・チャン)の監督作品にスポットを当てます。
©Backstage Studio Co., Ltd.
台湾の伝統芸能・布袋戲の人形師である人間国宝チェン・シーホァンを10年にわたって取材したドキュメンタリー。ホウ・シャオシェン監督作の常連俳優としても知られる布袋戲の大家リ・ティエンルーを父に持つチェン・シーホァン。13歳から布袋戲の人形師として芸を磨き続け、偉大な父の背中を追いかけてきたが、母の姓を継いだことで父との間に深い葛藤が生まれ、自身が80歳を超えた現在も、そのわだかまりが消えることはない。親子でありながら師弟でもあるが故の複雑な思いと、天命を知る者ゆえの闘いの記録を描き出す。
©夢田文創
九州と同じくらいの広さの台湾。そこには「独立書店」と呼ばれる、個人経営の個性的な書店が数多く存在する。『書店の詩』は個性あふれる台湾の書店40店の姿を、気鋭の監督・侯季然(ホウ・チーラン)が独特のタッチで活写した『書店裡的影像詩 ~ Poetries From the Bookstores』の全40話から選りすぐった11エピソードをまとめた特別ダイジェスト版(約40分)。地域コミュニティの情報プラットフォームとして。書店に集う人々が小さな幸せを楽しむ空間として。活気ある台湾の書店文化を、台湾の街のあふれる息吹とともに描く幸福な小品。観ればすぐに台湾を訪れたくなるだろう。
小特集
台湾出身。78年のデビュー以来100本を超える作品に出演、女優活動と並行し数々の作品を監督する。香港・台湾映画を支えてきた立役者にして、多くの人に愛される国民的女優。敏腕プロデューサーとしてあの楊徳昌(エドワード・ヤン)を見出した人でもある。
©Dream Creek Production Co. Ltd. Red On Red
両親の離婚で離れ離れになった兄妹と、妹の恋人。3人の揺れ動く心や親への想い。その切なすぎる物語を、台北と台東の美しい風景の中に綴っていく。作家・張艾嘉の決意がにじむ一作。
監督コメント
~なぜ『あなたを、想う。』を撮ろうと思ったか~
この世界は混沌としていて、人々は疎遠になっています。
雑音騒音が絶えず、人の目をくらませ耳を聞こえなくさせます。
私はただ静かに観客と対話をしたいのです。
幾つかの問いかけをして、一緒に答えを探し出したいのです。
「世界が美しいことをまだ信じられますか」
「忠実に自分と向き合う勇気がありますか」
「ある日携帯がなくなり、パソコンを盗まれたら、自分と向き合うことができますか?」
「私たちと両親との関係はどのくらい深いものですか?」
「まだどなたかが優しく話をしてくれますか?」
これらの問いは、全て単独でも一本の作品になります。
しかし、私は現代人の欲張りな心で、一本の映画で表現してみようと思ったのです。
物語の中で、一筋の明るい光が見えることを祈っています。
©2017 Beijing Hairun Pictures Co.,Ltd.
中国へ渡り、監督・主演を務めた一作。父の墓をめぐる3世代の女性それぞれの思いを、切実かつユーモラスに描いたヒューマンドラマ。母の死を看取った娘は、母を父と同じ墓に埋葬するため、田舎にある父の墓を移そうとする。しかし父の最初の妻から猛反対され、大きな波紋を巻き起こしていく。「青い凧」などで知られる巨匠ティエン・チュアンチュアンが、シルヴィア・チャン演じる主人公の夫役を好演。台湾が世界に誇る名カメラマン、李屏賓(リー・ピンビン)の撮影も見もの。第12回アジア・フィルム・アワードでシルヴィア・チャンが主演女優賞&生涯貢献賞をダブル受賞。
1 | 10:00~10:40 | 書店の詩 |
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2 | 11:30~13:31 | 妻の愛、娘の時 |
3 | 14:30~16:30 | あなたを、想う。 |
4 | 17:00~17:40 | 書店の詩 |
5 | 18:30~20:09 | 台湾、街角の人形劇 |
※開場は各回30分前より
(本編上映前に予告編上映あり)
「FAMシネマテーク」は福岡市美術館・ミュージアムホールを会場に、これからも貴重なプログラムを提供してまいります。